2stroke with powerband -It's always smokin' on the road.


トマトジュース健康法
あれは平成の御代も始まりのころ、バイクに乗っていると右手が痺れるようになった。
ハードなブレーキングを繰り返して起こるといわれる、いわゆる「腕あがり」という状態ではない。
普通にハンドルに手を添えて乗っているだけで、手が痺れてきてしまうのである。
原因として思い当たることといえば、その一年ほど前にミニバイクレースで転倒しコース脇の土手に右手を突っ込んで親指を突き指したことくらいである。その突き指自体は大して時間も掛からずに治ってしまったし、その後にバイクに乗っても手が痺れるようなことはなかった。まぁ、とにかく突然右手が痺れるようになってしまったのである。
手が痺れてきたら、ブレーキングもままならないしアクセルワークにも影響する。当然危険である。
仕方ないのでハンドルから手を離してブラブラさせる。そうすると手の感覚がもどってくるのだ。
連続稼働時間は15分程度。ツーリングですらつらくなった。
そのうち、お箸で魚を解体しながら食べるのにも苦労するようになった。しかし魚の食べ方がヘタなのは以前からである。
そのまんまじゃ困るのでいろいろと対策を講じてみた。
身体がカタイのでバイクに乗る前に準備運動をよくする。⇒あまり関係なかった。
身体が歪んでるのじゃないかといわれ整体へ。⇒まったく改善なし。
そうこうしているうちに十数年が経ち、あきらめの境地へと達しつつあった。
ネットで似たような症状はないかと検索していたら、「手根管症候群」なる言葉に行き当たった。
症状が似ている。人差し指、中指、薬指の半分が痺れる。似ている。
どんな人がなるのか?と読み進めていくと「妊婦さん、キーボードを良く使う人など」・・・。妊婦さんじゃないんだけどね。
整形外科に行ってみた。やはり「手根管症候群」との診断。クスリはアリナミンが処方された。
アリナミンを飲み続けていると、痺れてくるまでに時間が掛かるようになった。でも解決には程遠い。
劇的に改善するわけでもないので、そのうちアリナミンも飲まなくなってしまった。
そんなこんなで痺れとの戦いが続いていたある夏の日、家に缶入りのトマトジュースが箱入りで置いてあるのを発見。
どなたかからの頂き物らしい。私は、トマトは嫌いだがトマトジュースは好きである。家人は誰も飲まないので、朝に晩に一人で飲んでいた。
飲み始めて二週間ほど経ったころだろうか、バイクに乗っていて手が痺れていないことに、ふと気がついた。
もしや、トマトジュース効果なのではないか?と思い、ペットボトルで大量購入し飲み続けてみた。
効果覿面である。オフロードバイクで狭い山道でブレーキを頻繁に使う状況でも手は痺れなくなった。
季節は移り変わり、寒い冬がやってきた。身体がさらにカタクなる季節であるが、軽く肩を回してからバイクに乗れば問題なし。私は「手根管症候群」との戦いに勝ったのである。
手の痺れから開放されても私はトマトジュースを飲み続けている。もはや習慣である。
この良き習慣は、身体の抵抗力を高める作用があるようで、毎冬に訪れるひどい風邪にもかからなかった。快挙である。
そしてやってきたスギ花粉の季節。
7,8年ほど前に私は花粉症を発症した。
目が痒くなり鼻水がとめどもなく流れる。ティッシュを大量に消費し地球に厳しい生活を日々送ることとなったのだ。
しかし、トマトジュースを飲み始めてから約半年、花粉の季節がやってきても私の目は痒くならない。
鼻がムズムズしてくしゃみを連発することもない。鼻水は出ないことはないが、そもそも花粉症以前にアレルギー性鼻炎なので、他の季節と変わらないレベルである。
トマトジュースには花粉症を抑える効果があるのではないかと私は考えた。
疑問に思えばググるのが基本である。
なんと、私の愛飲するトマトジュースのメーカーたる「カゴメ」の総合研究所が国際医療福祉大学との共同研究で、トマトジュースやトマトに由来するカロテノイド(主としてリコピン)を継続して摂取することにより、花粉症の自覚症状が改善されることを確認したというではないか。素晴らしい!
トマトジュースは偉大である。
長年私を苦しめた「手根管症候群」と「花粉症」を治してしまったのである。
最後に、トマトジュースを愛飲するものに幸あらんことを切に願うものである。