2stroke with powerband -It's always smokin' on the road


1号車再生記 その6
バイク便ライダーと共同開発したシールド撥水剤 VISOR SCIENCE
平成19年2月18日
フロントフォークアウターチューブの溶接。
アウターチューブ切腹事件以後、遅々として修復作業が進んでいなかった1号車であるが、ようやく復活の目処が立った。
パックリ割れたアウターチューブ。
あわれである。新品部品を頼んだら見事に販売終了となっていた。
2002年に最終出荷とのこと。
だが未だにWEBの部品検索では出てくるのはどうして?
ブレニー技研のGM-5520。
GM-8300の姉妹品である。こちらはパテじゃなくて接着剤。
引っ張り強度もかなり高いそうなのでくっつけてみることにした。
寒い季節なので、まずは母材を暖める。
ストーブは年末に買い換えた新品である。
別体タンク式で安全に給油が可能である。
主目的はこのように部品を暖めることである。
主材と硬化剤を100:50で混ぜ合わせる。
混合比は非常にシビアなようで、電子秤を使用した。
割れた部品をくっつけたらストーブにもたせかけて加熱。
接着後60℃で1時間加熱すると強度が増すということである。
1時間後の状態。
カチンコチンに固まっていた。
内側のシャフトが入る部分にはみ出した接着剤を削り落とす。
このあと、車体に取り付けてクランプにボルトをかけたらパックリ割れた・・・。
やはり、しばらく放置しないと強度が出ないみたいだ。
仕方ないので同じ作業を繰り返し、1週間ほど放置することにした。
1週間放置し、充分な強度が出たところで、追加加工に移る。
ボルトを締めていくと、表面の接合面が引っ張られる。
ここを溶接してもらうことで更なる強度アップを図るのだ。
具体的には接合部分を掘って広い範囲が溶接されるようにする。
とりあえず、表面にくっついた接着剤を除去し、溝を切る作業を開始。
ここからはオフロードでお世話になっているテックなY氏に依頼した。
テックなY氏による溶接。
アークが片側にしか飛ばない現象が発現!
接着剤による悪影響か!
ブラシでゴシゴシしたら問題解決の模様。
しかし、エポキシが燃え出したようでブスブスと煙が・・・。
Y氏曰く「接着剤がダメになっちゃうかもねぇ」とのことだったが、
その後の検査で問題なく接着されていることが確認された。
溶接完了。
このあと、焼け焦げをサンダーで磨いて終わり。
Y氏曰く「本来なら接着剤との併用はあまり好ましくない」とのこと。
不純物が混ざると溶接しにくいそうだ。
それに接着剤の厚みの分、部品の寸法誤差が出てしまうから、溶接だけで済む部分は接着剤は使わないほうがいいらしい。
ただ、他に方法がない場合には仕方ないこともあるとのことだ。
とりあえず、GM-5520と溶接の併用はOKみたい。
早速、車体に取り付けてみる。
アクスルシャフトもスンナリ入ったし、クランプボルトを締めてもまったく問題なし。溶接ビートはわざと残してもらった。かっこいいから。
ついでに、カウルステーのフレーム側ブラケットも溶接をお願いした。
以前にパテでくっつけたのだが、衝撃を与えたら取れてしまったからだ。
原因はフレーム側の塗装を落とさずにパテを盛ってしまったからだそうだ。
パテ自体には充分な強度があっても、塗装のうえから盛ると接着力が落ちてしまうそうだ。とても勉強になった。
カウルを付けてステーのゆがみを確認。あとでステーを曲げて修正が必要なことがわかった。
バキバキに割れたカウルはプラリペアで補修。
なくなった部分はプラリペアで作り直した。ツギハギだらけのブラックジャック状態だ。
あとはカウルの塗装が待っている。