1号車再生記 その5 |
平成18年7月2日 フロントブレーキキャリパーの掃除。 現役2号車のアウターチューブ切腹!のためにフロントフォークを奪われてしまった1号車だが、未だブレーキが付いていないため、トランポへの出し入れが不便である。なので、今回はフロントブレーキのお掃除をすることにした。 |
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純正のキャリパー。トキコ製である。 小はKR−1Sから大はZZR1100まで使われたブレーキキャリパーの傑作だ。とくにKRにおいてはオーバークオリティともいうべき制動力を示す。 |
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想像通りの汚れ具合。 今回はボディがあんまり汚くないのでなべで煮込む方法はとらない。洗面器に水をためて、中性洗剤で丸洗いだ。 |
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ほそ〜いブラシなんかは力が入れにくいので、亀の子たわしでガシガシ洗う。けっこう毛足が長いので細かなところも洗える。表だけではなく、ピストンのある中側も汚れを落とす。 | |
エアガンを使ってピストンを押し出す。 ブレーキパッドを1枚あてがっておいて、特定のピストンだけが抜け落ちてしまわないようにする。エアガンを使ってもピストンが出てこないような状態のキャリパーは重症である。 |
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せり出してきたピストン。 汚れの首輪が出来ている。 細長く切ったウエスなどで汚れを落としておき、取り外すピストン以外は一旦戻しておく。 |
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指でくるくると回しながらピストンを抜き取る。 基本的にキャリパーは分割しない。 通常の整備では分割する必要がないから。 過去に分割したことがあるが、きちっと組みなおしてもタッチに甘さが出てしまったので気安く分割したくないということもあるけど。 抜き取ったピストンの汚れを落として、元通りにシリンダにはめ込む。 シールは目視して特にキズやヘタリがなかったので交換しない。 シール表面がひび割れしたりしていたら交換は必須になる。 |
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正体不明の堆積物とサビで覆われたパッドピン。 | |
サンポールでサビ落としをしようと思ったが、あいにく手元になかった。CRC5−56とサンドペーパーでサビを落とした。 サビを落としたら、薄くブレーキグリスをぬっておく。 |
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純正はマスターシリンダから送られたブレーキフルードがアンダーブラケット部分に付けられたシリンダで分岐され、左右のキャリパーに送り込まれる方式。 ジョイント部分が多いのでエア抜きがしにくいのでキライ。 将来的にはマスターシリンダから2本ホースで各々のキャリパーにつなげる方式に変える。 |
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アウターチューブのクランプ部分が切腹したフォークをとりあえず車体につけておいた。フルードをカップから流し込み、キャリパーのブリーダバルブにホースを差込み注射器でフルードを吸い出す。あとは、レバーをスコスコ握ってエア抜きをする。エア抜きはキャリパー側ではなくマスターシリンダからするのが基本。空気は上に上がってくるのだから当然だ。あらかたエアが抜けたら、キャリパー側に溜まっていたエアを抜いて終わり。こうすればムダにフルードを消費することもなく短時間でエア抜きを終えることが出来る。 | |
純正のキャリパーは高性能だが、ピストンが鉄のためにメンテナンスが悪かった場合、すでに錆びてしまっていることが多い。かつて1号車に付いていた純正キャリパーは左右ともシリンダにキズが入ってしまっており、交換せざるを得ない状態だった。しかし1個の価格が3万円弱もするので、安いブレンボのキャスティングキャリパーに換えたのだ。 ブレンボは安いうえに、軽く、ピストンもアルミ製なのでサビにくくてよろしい。ブレンボのキャリパーは10万キロ時弱の使用距離であるが、定期的なメンテナンスをしているので一度もシール交換をしないで済んでいる。 |
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