5月27日 ラジエーター交換
KR−1Sのラジエータは薄っぺらである。容量も同時期の他社の250ccバイクに比べて少ない。
1988年にKR−1は乾燥重量123kgという軽さで発表されたが、ラジエータもこの軽量化に一役買っているのだろう。
軽量なのは結構なのだが、いかんせん容量不足だ。
ノーマルのときも容量不足を感じていたが、吸気系の改造によりパワーアップを果たした今では全く足りていない。
ちなみにサーモスタットは外している。ウォーターポンプのメカニカルシールの弱いカワサキ車に負荷のかかるものをつけていてはいけない。サーモスタットを外していてもヒートしすぎるのでノーマル状態ではすでに限界ということで、88NSRのラジエータを入手したので換装することにした。 |
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左が88NSRのラジエータ。
右がKRのラジエータ。
KRのほうが横長に見えるが目の錯覚である。
NSRのラジエータのほうが左右寸法でも1センチほど大きい。
コアはKRが18段、NSRのものは25段もある。
当然ながら左右に走るウォーターチューブの数も多いわけで、ついでに厚みも倍近くあるので、冷却性能の向上が期待できる。ウォーターポンプの能力もこの程度なら不足することもないと思われる。 |
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車体への取り付け方法が異なるので、そのまんまボルトオンというわけにはいかない。そこでL字型2本と長めの金具をホームセンターで入手。いわゆるエーモンステーだ。ちょうどいい寸法のものなど売っているわけがないので現物に合わせて加工が必要。
せいぜい、長い部分をカットしたり、穴を広げる程度の加工で問題ないはずだ。 |
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とりあえず、L字型のステーをラジエータに付けてみる。
ゴムブッシュを介したフローティングマウントになるので、しっかり締め付けても多少はグラグラする。
これだけで止めるとヤワすぎるので、長めのステーをフレーム側のブラケットに取り付け補強してやることにした。
ステーにあいた穴とブラケットにあいた穴との距離が違うので、ドリルにロータリーバーをつけてステーの穴を拡大。
双方を合わせて位置関係を確認する。L字型ステーがブラケットに当たってしまうので、長い部分はカットした。 |
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ラジエータを取り外した状態。やけにすっきりしている。
赤いプラグコードはNGKのレーシングケーブル。
約2万キロごとに交換。ほぼ1年で換えている。
前傾50度のエンジンは、ラジエータを通過したほこりでシリンダヘッドがとても汚れやすい。このせいでタイロッドが摩耗してボールが外れてしまうトラブルが起きていたが、クローズドタイプのロッドエンドとチタンのタイロッドに変えたおかげでこのトラブルは解消した。でもやっぱり汚れるのは避けようがない。拡大画像参照。 |
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ステーの加工を終えたら車体に仮組みしてみる。
なかなか納まりの良い感じだ。左右寸法は余裕があるので問題ないが、上下に長くなったのでシリンダヘッドから出ているブラケットに当たってしまった。仕方がないのでブラケットを曲げて干渉をなくす。
この前傾角だとラジエータの下部がアンダーカウルに間違いなく当たる。下側のホースを切ってエンジン側に引っ張ってやり角度を変えて干渉をなくす必要がある。ちなみに下側はブラケット無し。どうせラジエータのホースで引っ張って止めてやるのだから、わざわざ別のブラケットを作るまでもない。レーサー並のフローティングマウントである。 |
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とりあえず仮組みしたところで不具合発生。上側のホースの長さが足りないのだ。
これは、ラジエータから出てるパイプの形状を見たときから想像が付いていたので対策部品を買ってある。
ホームセンターの水道コーナーにあった19Φのホースジョイント。ホースの内径は20Φだが、けっこうグリグリ押してやらないと入らないくらいのキツさはある。少しぐらいゆるかったとしてもあとでクランプで締めてやるので問題なし。シリンダヘッド側、ラジエータ側ともに曲がっているホースが必要なのでスペアのラジエータから外したホースとあわせ2コイチで使う。2つのホースを適当なところでぶった切りジョイントをかましホースを連結する。ジョイントとホースはいちおうシンエツKE45でシーリングしておいた。 |
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ということで完成。
L字型ステーとフレーム側のブラケットはボルトで止めているが、念のため別の穴にタイラップ通して締め付けておく。
こうしておけば、万が一ステーが締結部分で破断してもラジエータが落っこちてしまうことはないだろう。
フレーム側のブラケットにはホーンも付くのだが、厚みの増したラジエータに当たってしまうので、ホーン側のブラケットをチカラワザで曲げてしまい当たらないようにした。そもそも、ラジエータ上部のいちばん風の当たるところにホーンが鎮座しているのが間違っている。そのうち別の場所に移動させなくてはならぬ。
カウルへの納まり具合だが、左右寸法は全く問題なし。
アンダーカウルとラジエータ下部の干渉は下側のホースを引っ張ってやり角度を変えてやったことにより解消した。
さて、実際の冷え具合だが水温計の針2本分ほど水温が下がった。
これから本格的に暑い季節になるが、少なくとも昨年のようなひどい熱ダレは緩和されるのではないかと期待している。
あ、かかった金額はラジエータ代を含めて3,000円ばかり。非常にお安くできました。 |
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