2stroke with powerband -It's always smokin' on the road.


maintenance4
バイク便ライダーと共同開発したシールド撥水剤 VISOR SCIENCE
平成17年8月24日
☆リードバルブ交換☆
6月22日にエンジンを載せ換えてから4000キロ走行した。
ほぼ毎週、同じルートを走り、同じガソリンスタンドで給油しているのだが、前のエンジンではリッター25キロ程度の燃費だったものが、せいぜいリッター22キロくらいしか走らない。ちなみに燃費を測っているルートは有料+下道区間の100キロであまりエンジンを回して走ることはない。速度も制限速度+10km/hくらいである。載せ換え直後の慣らし期間は別として、少なくとも3500キロ以上走行して、常に1割程度燃費が悪いのである。
夏場であることも考慮に入れなければいけないが、少なからず気に入らない結果である。
実は前のエンジンと違っているところがある。リードバルブである。
吸気系の改造は同じ仕様でおこなっているが、リードバルブのみノーマルにしていたのである。
前のエンジンではボイセンのリードバルブを使用していたが、現在は純正のカーボンリードバルブが装着されている。
現在の仕様では5000〜5500回転あたり、エンジンが本来もつトルクの谷がある部分での回転の粗さおよび8000回転で排気デバイスが全開になる位置でパワーのフラットスポットが感じられる。このフィーリングの違いや燃費はエンジンの個体差かもしれないが、リードバルブが違うことによるものかもしれないので交換してみて違いを確かめることにした。
ボイセンのリードバルブ。特許モノらしい。 ボイセンのリードバルブ。
薄くやわらかい板と厚く硬めで穴のあいた板の2枚構成。
エンジンの吸入負圧が低いときは外側のバルブが開き、吸入口を制限している内側の板の穴から混合気を吸入する。高回転で吸入負圧が高いときは内側のバルブも開き全開状態となる。外側のバルブが茶色く焼けているのは燃焼ガスがピストンリングを吹き抜けた跡。ピストンリングの磨耗・ヘタリはエンジンを開けなくてもリードバルブを見て確認することも出来るのだ。
純正のカーボンリードバルブ。目風が美しい。 純正のカーボンリードバルブ。
低回転でのレスポンスに優れ、高回転でもサージングを起こさず追従性がよいとされる。モトクロッサーのKX125と同じもの。
よくカーボンリードは先端が割れやすいというが、さすが純正品、数万キロを使用しても全く問題なし。ヘタリもおきていない。
ボイセンと比べ明らかに性能が劣っているわけではない。
クリックするとノーマルの状態が見られるんです。 エアクリーナボックスからキャブレターまでを俯瞰。
ノーマルではボックスとキャブをつなぐゴムのインシュレーターがボックス内でファンネルなっている。(拡大画像参照)慣性過給を期待する4ストじゃあるまいし、吸入経路を短くすることがパワーアップにつながる2ストでは本来不要なはずだが、わざわざ吸入抵抗を作ることで負圧をつくり低回転でのレスポンス向上に役立てていると思われる。あとは吸気音を小さくするためか?邪魔なので切り取ってある。こうしてやるとピーク域での吸入抵抗が減るのでヨロシ。
クランクまでの距離が短いコンパクトな吸気系。 クランクケースにボルトで締結されるリードバルブケース。
ココにリードバルブが納まる。ガスケットを薄くしたり、ケースの合い面を削ることでリードバルブをクランクに近づけ、吸入経路の短縮を図るとレスポンスの向上などに効く。あまり近づけすぎるとリードバルブが当たったり、吹き返しのガスで叩かれて割れたりするのでほどほどがよろしい。前後の合わせ面は2次エアを吸い込まないように信越シリコンKE45を塗って気密性を高める。
高価なスロットルバルブ。1個7890円也。 ついでにスロットルバルブの点検。
10万キロ近く使用しているので、表面に擦り傷が出てしまっている。
高回転域での開け始めで、エンジンの吸入負圧に引っ張られて重く感じることがある。そこで、定期的にピカールなどで磨く。そうするとスムーズさが復活するのである。あんまし磨きすぎて減ってしまうと、機密が保てなくなりホントに交換する羽目になるので気を付けなくてはならない。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」である。
☆インプレッション☆
3000〜4000回転の低回転域では特に変わったことはなし。
5500回転付近の回転の粗さは多少改善。
アクセルを少し開けた状態では多少の引っ掛かりがあるが、回転の上昇に合わせアクセルをあけていった場合にはこの症状は出ない。非常とても微妙なところだが、実際の走行ではかなりスムーズさが出てきたように感じる。。
しかし、気温が下がってきたこともあり、一概にリードバルブ交換のためとは言いがたい。
この回転域が6速で70〜80km/hにあたり、ここでの燃焼が改善されると燃費の向上につながりやすい。
次に高回転域。
8000回転でのフラット感は解消せず。これは吸気系をイジったときからついてまわっている。6500〜8000回転までと9000回転から上で大きくパワーが上がったせいで排気バルブの開くこのポイントで燃焼圧が抜けるようにトルクの谷を感じてしまう模様。欲を言えば、9000回転で排気バルブが開くようになれば、なだらかなパワーカーブを描くようになるものと思われる。
9000回転から12500回転までのピーク域も変わらず。元のリードバルブも充分高性能なので違いはわかりにくい。
以前から気になっていたことだが、S字の切り返しで、いったんアクセルを戻し再度開けていくときにモタつくことがある。
薄いとか濃いとかの問題ではなく、リードバルブの追従性の問題かな?と思っていたが、固めのボイセンでも変化がなかった。これは、やはり根本的な吸入量不足が原因と思われる。
エアクリーナーを改造して更なる吸気量のアップを図ることが問題を解決することにつながると思われる。
第三次パワーアップ作戦の発動を決意。
・・・・。で、肝心の燃費は?
いつものルートで計ったところ、リッター24キロを記録。
改善しているのかもしれないが、気温が低かったのが改善要因とも取れる。
やはり、暑さのせいで燃費が落ちていたのかも?う〜ん・・・。
追記
ボイセンのリードバルブは密着性が悪くなってしまったので、ノーマルのカーボンリードバルブに交換した。
吸気量を増やすためにエアクリーナーを加工したが、低中回転域でボコつくようになってしまったため断念。
13000回転まで回るエンジンになったがつながりが悪くなるようでは何の意味もない。
結局、元通りのセッティングに戻した。
その後、リードバルブは10万6千キロで先端の一部が欠けたのでスペアに交換した。
エンジンを替えたら、5500回転付近でバラつくようになったので、エアクリーナーのファンネルを戻した。
このあたりはキャブのインナーパーツ、特にニードルジェットの摩耗が原因の場合もあるので、なかなか判断が難しい。

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