2ストロークのバイクが愛車だ。
軽量にしてハイパワー。パワーバンドに入れたときの強烈な加速。しかしそのパワーバンドをキープして走ることは難しい。アイドリング時は不整脈のような間欠燃焼のパラパラ音、回転を上げるにしたがって排気音が揃ってくると気分も昂揚してくる。愛車は250の小さなバイクだから、ワインディングを流して走っていると、直線で腕自慢ならぬ排気量自慢の4ストビッグバイクに侮られ乱暴な抜かれ方をされることが多い。そんなときは激しくギヤをかきあげシフトダウン(逆シフトなのだ)タコメータの針をパワーバンドに入れて、猛然と襲い掛かりコーナーの入り口で追い詰め、立ち上がりの加速で軽量2ストの本領を発揮する。エンジンの機嫌によっては白煙を浴びせてしまうこともある。そして強引・乱暴に抜いていったことを後悔していただく。(中には本当に速いヒトもいるので、そんなときは引き離されて唇を噛み締めるだけのコトだ)まぁ、べつにそれだけが楽しみなわけではないが、そんなときが楽しいのも事実だ。狭いパワーバンドを維持して走るためにすばやく倒しこみ、一気にバイクの向きを変えて立ち上がっていく。コレが決まったときは非常に心地よい。低回転で力のない、扱いづらいエンジンをいろいろイジって調教していく作業も結果が出たときはこのうえもなくうれしくなるものだ。4スト派のヒトにしてみれば、いいかげんな吸排気機構、不完全な機械、扱いづらいエンジン特性、下品な排気音、汚らしい白煙等々のすべてがキライなのだろう。でも、自分にはその全てこそが魅力なのだ。 |