2stroke with powerband -It's always smokin' on the road


DT125R再生記その8
バイク便ライダーと共同開発したシールド撥水剤 VISOR SCIENCE
平成19年5月13日
キャブ交換後、なかなかイイ感じで河原にヤブコギにと活躍していたが、低回転でのトルク不足が玉にキズだった。
同クラスのKDX125SRと比べるとあまりに貧弱すぎ、高回転型エンジンのロードバイクのようだった。
また、田舎道をトコトコと40km/h位で走るとき、6速が使えないということもあった。
ということで、定番の吸気系チューンを施し、さらにシリンダヘッドを面研して圧縮をあげてトルクアップを図った。
この作業は3月中旬から日を置いておこなったもので、1日で作業したものではない。
左の画像はノーマルの状態。ホントはここに豚鼻と称されるダクトが付く。
んで、左が現在の状態。単純に3倍以上の開口面積になっている。
ホットナイフを壊してしまったので、ドリルで穴を開けていき、ニッパーでプチプチと切り取っていった。
あと、写真に撮り損ねてしまったが、200用のYEIS(吸気チャンバー)を装着した。アクセルワイヤーの取り回しがきつくなるかと思ったが、何とかおさめることができた。
つづいて、シリンダヘッドの面研である。
知人のテックなY氏にベルトサンダーで削ってあげるといわれたのでお願いした。
「きっちり平面出てないから修正してね」といわれたので、サンドペーパーを下に敷いてヘッドをえっちらおっちら削った。
こんなもんだろと思って組んでみたら冷却水が外に漏れ出してしまったので再修正をする羽目に。
こんどは、電動ドリルに円盤状のサンドペーパーをつけ、ヘッドを万力にかまして削っていった。
曲尺を当てて、平面が出ていることを確認した。
削った量を失念してしまったが、計算上6.8の圧縮比が7.5くらいになる量を削ったはずだ。
ヘッドガスケットは再利用である。
アセトンでゴム状の膜を落としたら、デイトナの高耐熱ガスケットフィットを吹き付ける。銅粉入りで粘着性のある皮膜がつくられる。写真撮影用に立て掛けておいたら垂れてしまったが、本来は水平にして乾くのを待つ。昔はペースト状の液体ガスケットを塗りつけていたものだが、この製品が出てとても楽になった。ちなみにこの商品にはヘッドガスケットの再生に使えるとは一言も書いてないので、あくまで自己責任である。
吸気口の拡大と圧縮比のアップにともないキャブセッティング。
メインジェットの番手を上げ、ジェットニードルのクリップ位置を変えて調整。パイロットジェットは交換せず、エアスクリューの調整のみで対処していく。画像はキャブセッティング後のプラグ。
ちょっと濃い目の焼け方だが、トルク感を持たせたセッティングなのでこんなもん。ヤブコギなどで低回転・低開度域をよく使用するので、ここら辺りでのセッティングを丁寧に出していく。プラグは純正のBR9ESに対し、電極が突き出しているBPR9EVを使用。燃焼室中心部で点火することにより、確実な着火が期待できる。燃焼室容積が多少なりとも減るので、圧縮比アップも無いとはいえない。
上記の作業をした後でしばらく走っていたところ、冷却水が減る現象がおきた。リザーバタンクから吹いているところを見ると、冷却水が沸騰してしまっているらしい。かなりパワーがあがり発熱量も増えていたのでサーモスタットをはずさにゃいかんと思っていたがやっぱりだった。もともと放置していたせいで動作不良になってた疑いも濃い。プラスビスなんかで留められていたのでトルクが掛けられず、仕方なしにヘッドをはずして作業をした。ゴムのOリングは残してサーモスタットを外す。カバーとの合い面にはシンエツKE45を塗ってシーリングしておく。
非常にパワフルなエンジンになった。
低回転で力を出すようにしていったつもりだが、高回転でも大幅にパワーアップしている。
圧縮アップをしているが、ガソリンはレギュラーである。
当然ながらシリンダヘッドを外して、ピストンの焼けなどを確認しているが、デトネーションを起こした形跡も無い。
圧縮をあげたらハイオク!とよくいわれるが、今回のチューン程度では必要ないみたいだ。
ついで仕事。
スイングアーム辺りからキーコキーコ音がするので、バラしてグリスアップをすることにした。
ホントはリヤショックのシャフトが傷ついていてオイルが滲んでいるのでオーバーホールに出したいところだが、それは後日に回す。
リアタイヤをなど作業に邪魔なものをずんずん外していく。
リンクプレートを締めているナットにインパクトレンチを掛け、ズドンと一発お見舞いして外していく。
グリスニップルが付いているほうはニップルが壊れてしまっては困るのでインパクトは掛けません。
取り外したシャフト。ニップルから送り込まれたグリスが中空のシャフト内をとおり、ベアリングに達するようになっている。
シャフトにサビがきていたのは、リヤショック下端部とリンクを締結している部分だけだった。あとはスイングアームピボットを含めとてもきれいな状態だった。スイングアーム部のゴムブッシュがキコキコ音を立てている気がしたがどうやら違ったようだ。すばらしく汚いリンク部分をアセトンで洗い、内部にはグリスを満たして組みつけていく。
組みあがったところで、サスを上下させるがキコキコ音は見事に消えていた。動作感もしっとりとした落ち着いたものになった。
リヤショックが多少ブシュブシュいっているが、これはそのうちにオーバーホールに出して修理せざるを得まい。