2stroke with powerband -It's always smokin' on the road


DT125Rいじり その19
バイク便ライダーと共同開発したシールド撥水剤 VISOR SCIENCE
平成26年1月30日 ステムベアリング交換
積算距離105005km
少し前に、ステアリングのガタを感じたので、ステムの調整をした。
直後にホイールベアリングを交換したのだが、思い返してみるとステムのベアリングを替えた記憶がなかったので、ステムベアリングの交換をすることにした。
さらに思い返すと前の持ち主もステムベアリングの交換はやっていなかったはずなので、新車当時のベアリングのままだったことになる。
年に一度くらいは、清掃とグリスアップのためにバラしてはいたが、オフロードバイクで、しかも一時はレーサー仕様でコースばかり走っていたバイクなのに、ステムベアリングが10万キロも持つとは驚きだ。
作業場の屋根の桟にゴムロープを引っ掛けてハンドルを吊るす。

アクセルやらクラッチやらブレーキやらのケーブル、ホース類を外したくないので、こういうスタイルになった。あんまり引っ張り過ぎないように、絶妙な吊り加減が必要だ。
タイヤ、フォークを外し、アッパーブラケットに締結されているライトハウジングも外していく。
ステムのロックナットを外して、ステムシャフトを下に引き抜く。
アウターレースは、フレームをヒートガン(貰い物)で3分ほど加熱する。
そこそこ熱くなったら、アウターレースにパーツクリーナーを噴射して急冷する。
そうすると、熱されて膨張したフレームと急冷され収縮したアウターレース微妙な隙間が生じるので、
上から長いマイナスドライバでレースを叩きぬく。アウターレースは特に異常なし。打痕もなかった。
先日生じたガタはベアリング本体の寿命だったのかもしれない。
ステムシャフトに残ったベアリングの除去。
はじめに、リテーナに保持されたローラーやダストシールなど、作業に邪魔なものを叩き壊したり、ニッパで引きちぎっておく。
その後、例のごとく、ストーブでロワーブラケットごと暖める。
素手で持つには熱すぎるくらいになったら、作業台に置いてステムシャフトの下の穴からパーツクリーナーで急冷する。
ここでも熱膨張の差を利用するのだ。
そしてブラケットとベアリングの段差にマイナスドライバをあてがい、ド鉄ハンマーで叩いて隙間を作る。
ある程度の隙間ができたら、タガネ先輩の出番だ。
タガネ先輩の尻をド鉄ハンマーでガシガシ叩くとジリ、ジリとベアリングが抜けてくる。
タガネ先輩の重さもあいまって作業効率はマイナスドライバの比ではないのだ。
新品のテーパーローラーベアリング。下側のベアリングだ。
ヤマハ純正で注文すると3,350円(税込)だがスズキ純正で注文すると2,205円(税込)なのだ。したがってスズキ純正で注文した。
上側のベアリングは昔ながらのバラバラのボール式。
上側は別に交換する気もなかったのだが、作業場の引き出しを漁っていたら、なぜかボールの予備とレースがセットで納まっていたのでついでに換える事にした。
前の持ち主からまとめて貰っていたようだが、10年以上前のことなのでさっぱり覚えていない。
ベアリングをストーブで暖めたいが、KRとは違い、このベアリングはオイルシールが一体になっているので、
ストーブに載せておくとオイルシールが燃えてしまう。仕方が無いのでヒートガン(貰い物)で金属部分を狙い撃ちで暖め、ステムシャフトに挿入する。嵌め合いがきつくなっているところから先は、すり割りを入れたベアリングの残骸を逆さにして、タガネ先輩で叩き込む。
所定の位置にベアリングが納まったら、グリスをローラー部分にすり込んでおく。今回は近所のおっさんに貰ったモリブデングリスを使用したが、別にどんなグリスでも問題ない。要はこまめなメンテナンスが必要なだけだ。

フレーム側にはアウターレースを仕込まねばならないが、こちらもすり割りを入れた古いアウターレースを逆さにあてがってカンコン、カンコン叩いておしまい。
さて、上側のレースにグリス漬けにしたベアリングを並べ、レースカバーをかぶせたあとにロワーブラケットを通し、ロックナットを締め付ける。
与圧を掛けるわけだけど、フックレンチでそこそこのトルクで締め付けたら、クリクリとステアリングを回転させてなじませる。おもむろにロックナットを緩めて、手で締まる程度に締めておく。アッパーブラケットを載せて、左右のフォークを取り付けて、ガタの調整をする。、ロックナットだけでガタが出ないように調整すると、アッパーブラケットのトップナットを締め付けたときに、ステアリングが重くなりすぎるので、そのあたりを勘案して調整する。ここが一番時間がかかる。なんかめんどくさい
ガタの調整が終わったら、ライトハウジング、ハンドル、フェンダー、タイヤの取り付けの取り付けを行なう。ハンドルやライトハウジングは天井からぶら下げていたので、配線が抜けたり切れていたりしないかを確認しないと後で面倒なことになる。
走行後の感想。
う〜ん、あんまり変わらん。もともとゴリゴリしてたわけじゃないし。
こまめに手入れをしていれば、あまり傷まないパーツだということが改めて確認できたので良しとしよう。