2stroke with powerband -It's always smokin' on the road


DT125Rいじり その12
バイク便ライダーと共同開発したシールド撥水剤 VISOR SCIENCE
平成20年6月15日 ビッグタンク装着

DT125Rのタンク容量は10リットルだ。メイン7.5、リザーブ2.5リットルという感じ。
ていねいにキャブセッティングを取って、街乗りでリッター28〜30kmと燃費は良くなったものの、200キロそこそこでリザーブに切り替わるのは心もとない。ましてやテントや生活道具を積むロングツーリングでは燃費も落ちるし更にキビシイ。ということで、ビッグタンクを装着することにした。もちろん、DT用なんかないので他車種流用である。
ヤマハのトレールということで、同年式のモトクロッサーと似てるんじゃないかと思い、88年くらいのYZの画像をネットで探した。そうするとやはりラジエターシュラウドの形なんかが似てるから行けるだろうということで、今度は'88YZ250のビッグタンクを探したら、米国クラーク社(Clarke Manufacturing Inc)のサイトに行き当たった。Yamaha YZ 2-strokeというところで発見。YZ/WR250 (88-92) YZ125 (89-92) 3.7 gal(14.0liter)というヤツ。価格は209ドル。左の画像がそれだ。国内でもお取り寄せで買えるところがあるみたいだけど4万円以上になっちゃうので、日本に送ってもらえるかクラーク社にメールで問い合わせてみた。
英語は中学生レベルなので問い合わせの文面は以下のとおり。
I am a Japanese. 私はひとりの日本人である。
I want to buy a fuel tank. 私は燃料タンクがひとつ買いたい。
fuel tank for YZ125(89-92) 3.7gal. YZ125用の3.7ガロンだ。
Please tell me how to buy. 購入方法を教えてくだされ。(ちゃんとプリーズをつけよう。命令形はイカン。)
・・・しかし、よく考えると日本人であることは宣言してるが、日本に送れるのかとは一言も聞いてないぞ、オレ。
でも、先方の米国人はその辺も忖度してくれたようだ。
「OK.航空便で日本に送るよ。送料は65ドルね。注文書をFAXしてね。支払いはクレジットカードね。ヨロツク。」という返事。
合計で274ドル。知人に聞いてみると、自動車部品なので関税はナシ。国際郵便なので通関は郵便屋さんがやってくれるとのこと。家まで配達してくれて、そこで消費税と通関手数料を払うだけでえらく簡単だそうだ。
それならばと6月2日に注文書を先方にFAXした。後日カードの利用明細を見たら、29,259円だった。
到着は6月13日。通関手数料200円。しかし消費税がたったの600円。明らかに課税対象額を間違えてるぞ税関!
こんなことだからわが国は税収不足に陥るのだ。きっちり取れよ!オレ以外から。
まぁ、結局30,059円で買えた。国内で買うより1万円は節約できた。
タンクはでっかい箱にラップで包まれた状態で入ってた。緩衝材は米国の新聞やらチラシがいっぱい。
英語の新聞なんて読めないので塗装のマスキング用になる宿命(さだめ)だ。
とりあえず車体に乗せてみた。シートもあわせてみた。
とーぜんながら、すんなり合うわけがない。
フレームに沿わせてタンクを前に押し込むとラジエターやオイルタンクにも当たっちゃう。YPVSのプーリーにも干渉しちゃう。シートも前端部が浮いてしまってよろしからず。
でも、まぁまぁいい感じで付きそうだ。大げさな加工も必要なさそう。
思いっきり邪魔なフレーム側のタンク固定用の出っ張り。タイコみたいなヤツ。ジスクグラインダーで切り飛ばす。
シート裏の意味ありげな突起も切り飛ばす。もう元には戻れない。
モトクロッサーとはフレームの高さや傾斜が違うようだ。
空いてしまう隙間を埋めるためにスポンジを切り貼りして高さを合わせて行く。見た目が汚い?とりあえず付けなきゃいけないのにそんなこと気にしてられるか!うまくついたらあとで見た目は考えよう。
タンク後端部も高さ合わせが必要。
レギュレターとタンクが当たらないようにスポンジで空間を作る。
フレーム全体にもタンクが擦れてしまわないようにスポンジを貼っていく。
ざっくりと作業したところで、タンク・シートを合わせてみた。
なかなかいい感じ。
ラジエターとオイルタンクはステーの上端を外し、前傾させることでタンクと干渉しないように除した。
微調整を加えながら、固定方法を考える。
後端はシートが乗っかるので、まず問題はない。
悩んだのが前端をどうやって固定するかだ。
考えた末にタンク前方の裏側にあるネジ穴にステーを取り付け、ゴムバンドで引っ張ることで解決。
ゴムバンドはヘッドパイプ下まで通し、タンクが前方斜め下に引っ張られるようにした。
ゴムバンドは平ゴム。タイヤチューブを切ったヤツだ。
近所の金物屋さんにてエアコンの効いた店内で寝そべる巨大な白い犬にびびりながら短めのやつを買った。
ちょうどいい長さになるように何回も長さを調整した。取り付け具合は完璧。タンクのガタもほとんどないレベルになった。
タンクの固定方法が確立したところでコックの取り付けだ。
コックはDT125R純正のものを使う。
レーサーにつけるタンクなのでリザーブ用の穴がない。
そこでドリルで穴を開けてリザーブが通るようにした。
パッキンはタンクに付属してきたが、まったく使えないものだった。
コックのねじを締めていくと柔かめのパッキンが伸びてしまって役に立たない。結局、純正のパッキンをつけたがなんら問題はなかった。
さて、こうしてビッグタンクの取り付けは完了したのである。
タンクはナチュラルカラー(半透明)なのでガソリンの量がわかる。
左右のシュラウドは、あらかじめオークションで500円で入手しておいた’92YZ用。なんら問題なく装着することが出来た。
これで航続距離400キロを目指せるツーリングバイクになった。
平成20年6月21日追記
タンク容量を実測した。
全容量は15リットル。14リットルタンクとのことだが、実際は1リットル多く入った。さすがはアバウトなアメリカ製品。
リザーブ量は1.5リットル。したがってメインは13.5リットルということになる。
オフ車のビッグタンクにありがちな、片側にガソリンが残ってしまうということはほとんどない。
これはチャンバーをよけるために右側が高く、左側が低くなっているタンク形状によるものと思われる。